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アーティスト時代に2000〜5000人規模の音楽フェスのLiveに毎年出場してました。シオサバです。
新人アーティストはステージ上での喋りに苦戦する。
ラッパーも別名でMCと呼ばれるので紛らわしいところだが、この記事でのMCは、シンガーや歌手、アーティストがステージ上で使う喋りのスキルをさして進める。
音楽を始めたばかりの新人は、喋りの上手さをセンスや才能だと思ってはいないだろうか?
実は、いっけん自由に喋っているように見える一流アーティストのMCにも「型」がある。
この型となる、しゃべりの構造を知ることで、誰でもお客さんをシラケさせない。キレのあるトークができるようなる。
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- MCがグダって、Liveにシマリがない
- 歌はおろか喋りも緊張する
- 大物のオーラが全然ない
- MCで盛り上がる喋りができない
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LIVE中のトークに上記のような心当たりがあったら、ぜひこの記事の内容を役に立ててほしい
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MCは【結論から】伝える
普通の会話は、出来事から結論の順番で人に話す。
雨が降ったから、靴がぐちゃぐちゃになった。
泥酔して友達に罵声を浴びせ続けたら、殴られた。
ライブのMCで一瞬で観客の気をひくには、先に結論を告げる。
「もう。。ぐちゃぐちゃだよ」とだけ先にMCで言った場合、靴なのか、心なのか、脳みそなのか。その時点でトークの答えはお客には解らない。
少なくともネガティブなワードを結論として先に言うと、観客の注意は確実に引ける。
結論のMCは、ちょっとしたクイズに近い。なので、答えがあまりにもしょーもないと、観客はバカにされたと感じるので多用はNG。
イケメンや人気者がよく使う結論先のイジワルなMC
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正直。ちょっと許せないよね。。
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シーーン。。。(イケ様。なんか怒ってはる?)
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こんな最高な場所があったんなら、なんでもっと早く教えてくれなかったんだよ!来るじゃん!そしたら俺!いつでも来るじゃんかっ!
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わーー!イケ様の意地悪ーー!愛してるー!
感動させたい場合にも倒置法は効果的
感謝を伝えるMCは質が大切
多くのアーティストや歌手が、お客さんや関係者に感謝を伝えるMCをする。
お約束のMCではあるが「感謝は言わない」と無駄に尖るメリットは何もないので、感謝のMCは取り入れるべき。
媚びへつらい過ぎても、新人感が出てしまい、観客に上から見られてしまうので、男性は特に過剰にお礼ばかりをステージでするのは良くない。キモいと思われてしまう。
関係者への感謝トークに尺を使う場合は、その質に注意。長い付き合いで、どのような所に感謝しているのかが明確であれば、誰よりも良い喋りができる。
なんにも思い入れがない割に尺ばかり使う感謝トークほど、うわっつらで時間の無駄な行為はない。
小話を添えて「曲紹介」をするとお得感がある
音源では聞けないアーティストのMCは生LIVEの醍醐味の1つ。
いつもの曲の歌い始めのMCを、当日のライブ会場特有のもので繋げるだけで、簡単に思い出に残る特別な喋りになる。
例えば仙台営業の場合は、「ご当地名産品の話から自分の持ち歌に繋げられないか」と考えてみる。
小話を添えて(仙台編)例文
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仙台ですので、昼に牛タンを美味しく頂いた訳ですが。2枚重なったまま、くっついてるタンがありまして。。。
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まぁ1枚づつ食べたいと思って、剥そうと思ったんですが、引っ付いて離れないんですよね。2枚の牛タンが。
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ざわざわ。ざわざわ。(なに言うとん?) ついにトチ狂ったんか。
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。。なんか。剥そうと思っても、全然離れないものって。ありますよね。。。
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それでは聴いてください「ずっと離れていても(人気曲)」
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わーー!イケ様ーー!牛タンの油よりも今ノッテるおとこーー!
あまり落語的にテクニカルなつなぎを狙いすぎると、お客さんの思考が追い付かなくなりガッツリとスベるので注意
軽い冗談を交えている。という事が伝わるように、解りやすく組み立てるのが良い。
大物感を出すのは絶妙な【ま】
しゃべりのリズムとテンポを習得した人は「ま」を上手く操る
最終的に喋りの良し悪しは「ま」で決まると言っても過言ではない。
MCが上手い人間に共通するのは、けして焦っていない。盛り上がる一言を放ったあとは、観客の歓声やリアクションが終わるまで次の喋りを始めない。
反応を楽しむように待ち、そして次の言葉が1番欲しくなった瞬間に言葉を発する。
トークとトークの間に儲ける、沈黙の長さを操るのが【ま】
最上級者の技「長い沈黙」
ライブが上達し安定してくると、お客さんは安心してライブを楽しめる。
ライブが上手いという前提条件があれば【不安】すらもエンターテイメントにすることができる。
不安を与えるには、音が止まった無音の状態で、5秒以上黙る。
この方法は、そのあとの喋る内容に価値と熱意がなければ、逆に盛り下がってしまう大変危険な技。放送事故になりかねない。
「アーティストの自信」「お客さんからの信頼」「圧倒的な熱意」などの条件が整っていると、不安→集中→結束の流れでさらなる一体感を生む。
新人は絶対にやらんほうが良い。
応援されるにはあえて【敵を作る】
最も応援されるのは人は戦っている人。音楽のトーナメントやバトルには勝敗があり、誰を応援するかという思考がお客さんにプラスされる。
勝ち負けを共有できるほうがファンは応援しやすい。
そこで、戦う相手がいないジャンルの音楽をするアーティストは「自ら敵を作る」
自分が思う世の中の「敵」や「困難」それらに挑み、戦うスタンスをみせると盛り上がる。
実際は「なに勝手に戦っとんねん」状態なのだが、不思議と真剣になにかと戦う人間を、応援する習性が人間にはある。
この「困難乗り越えてます感」はアイドルも良く使う鉄板のMCテクニックなので、使えるようにしたいところ。
自作する困難 例文
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わたし、批判もされるんですよ。先日も「レディサバはポジティブの押し売りだな」だなんて言われて、少し落ち込みました。
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そんなことないぞー!頑張れー!かわいいぞー!好きだ―!
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でもね。元気になる人がいるなら押し売りでもいいやって。ポジティブ売りつけていこう!って思ったんです。負けずに売っちゃおうと思いますが、わたしのポジティブ買ってくれる人はいますか!?
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買うにきまってるだろー!爆買いさせてくれー!むしろ押し潰してくれー!
上記では、アーティストとファンが一丸となって、匿名、または架空のアンチと戦う構図が出来上がっている。
喋りの出口と曲の入り口を固める
喋りで大切なのは入口と出口。特に曲間MCの出口は次の曲の入口。
好きな話題で話し始めるも、出口を解らなくなり迷子になっている。
「えーと。結局なにが言いたいか伝わったか不安ですが」的な喋りをしてしまう新人アーティストは多い。
ライブのMCに、台本を作る必要はない。ただし最初の一言と、終わりの一言は決めておくようにする。これで迷子にはならない。
MCトークの出口の型 例文
投げかけ型
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そんなわたしの考えに共感してくれますか?(次の曲が流れる)
みせてみ型
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その気持ち解るよ!って人はどれくらいいますか?手を上げてみせてください!(次の曲が流れる)
朗読型
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風が止んで、静かになると、どこからか音が流れてきました。耳をすませて(次の曲が流れる)
激情型
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だ・か・らっ!!こ・れ・か・ら・もー!!みんなっ!愛してるよぉぉぉ!(次の曲が流れる)
恫喝型
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いくぞぉぉ!てめぇぇら!いけんのかぁぁ!(次の曲が流れる)
基本的には「そんな時に作った曲です」とかで入ると思うが、毎回そんな入り方では芸がない。
上記のように次の曲の雰囲気に合わせて、トークの出口に型を当てはめてみると、新しい色が出せる。
主張は「断言」することが大切
「だと思います」「かも知れません」などの表現は不要。
けして高圧的になる必要はないけれど、音楽や表現に熱量がなければ、聴き手の心は動かない。
なので、断言というカタチでリスクを負うこと。
トークの終わりは宣言、断言、決意を込めることが大切。
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確かに俺たちはただの鯖なのかも知れない!
でも俺はシオサバである事に誇りを持ってる!
だから俺はサバであることを一生辞めないし、これからも絶対に鯖であり続ける!
俺と一緒にこの世知辛い時代を鯖イバルしてくれる鯖は全員エラを開閉してくれ!
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わー!鯖兄!!ちくしょう。。涙でステージがみえねぇ!
体調不良や、練習不足の言い訳などはNG
お客さんはカッコイイ言葉に触れ、カッコイイ音を感じ、カッコイイアーティストが見たいと思っている。
効果のある「当日用4小節」
サービス精神と努力があれば、多少のトーク下手をカバーできる。
毎回ライブに来てくれるファンは、その日発表の新曲がない場合、いつもと同じ曲を聴くことになる。
どんなカンタンなものでも構わないのでその日にしか見られないモノを用意すると特別感がでて盛り上がる。
お勧めの方法は「当日用4小節」
会場のある地域の名産や、当日のニュース、時事ネタなどで4小節の歌詞を作り、サビ風のメロディを付ける。もちろんアカペラでOK。
当日用4小節 例
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京都のみんな。そうだよ。イケサバだよ。今日ここへ来る移動中に僕が作った曲があるんだけど、聞きたい人はいるかい?
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聴きたーい!聴かせてー!カッコイイー!
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オーケイ。それじゃあ聴いてくれ。新曲で「九条ネギ」
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伝統的京野菜ネギなら九条♪ 抱きしめて眠るよネギなら九条♪二度と話さないでネギなら九条♪僕の部屋は9畳。ネギなら九条♪
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わーー!アルバムに入れてくださーい!優しさが染みわたる―!九条ネギたべたーーい!
短いフレーズや、ちょっとした歌なら移動中でも考えられる。メロディに抑揚があれば「九条ネギ」のようなご当地キーワードはサビ風に繰り返しで構わない。
大切なのは、その日の為だけに何かを用意するサービス精神。
具体的な「緊張対策」
すべての準備や練習を帳消しにする「緊張」
緊張の度合いには個人差があるが、あがり症のアーティストでも細かい緊張の要因をつぶしていくことで、緊張を和らげられる。
「想像力」を制御する
緊張は「失敗や不安」を想像する事で生まれる。それでも「想像するな」というの難しい。
では、何故多くの想像力豊かなアーティストが緊張せずに、ステージをこなせるのか。それは想像力のスペースが欲望で埋まっている事が要因。
アーティストはステージに立つ前に「自分は求められている」「僕はスターだ」「今日もモテモテなわたし」「ここで歌ったら絶対気持ちいい」「早く歌いたい」などの欲望で脳のスペースを埋める
緊張の根源となる不安を抑制したい場合、少し過剰なくらい欲望を脳で追及することが効果的。
「脳を騙す」方法
責任感が強すぎる人は「期待に答えてみせる」という意気込みが気負いとなり緊張しやすい。
本番前に故意にあくびをしてみたり「眠い。めんどくさぁ~い」と口に出すと効果的。
緊張と反する言葉を口に出すことで「余裕がある」と脳を騙す事が出来る。
もちろん本当に面倒くさくなる事はない。真面目な人は、どれだけ手を抜こうと努力しても本番では無意識に頑張ってしまうように思考が出来ている。
想定内をつくる「空間把握」
ライブが始まってしまったら、予測外の出来事はすべて緊張に繋がる。
「予想より響く」「予想より広い」「予想より聴こえない」などの不測の事態を少しでも減らす為に、ライブ前に会場は良く見ておく。
会場でのリハーサルは入念にしておいたほうが、緊張は緩和される。
「十分な記憶」
沢山の練習が最も緊張を和らげる。
歌詞を飛ばさないように、口が詞の動きを覚えるまで練習する。
「この曲はどうやっても飛びようがない」というほど身体に染み付いた楽曲を増やすことで当然緊張はなくなっていく。
緊張とも関係する「PAさん」の存在
PAさんとの関係は重要です。大きな会場では、メンテナンスやリハーサルに予算をかけるので機材トラブルは起きにくい。
しかし、中箱、小箱ではPAさんに十分な予算が組まれていないことや、日ごろの機材管理の甘さから音声トラブルが起きる。
そして、トラブルの確立を少しでも減らしたい人はPAさんへの挨拶や連携を深めて、いざという時に備えるのが良い。
トラブル時つなぎのMC 例
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えー。音が止まってしまいましたが。大丈夫です。今復旧にあたっているPAさん、えー紹介します鯖渕さんです。鯖渕さんは幾多の会場で悪い電磁波によって止まってしまった音楽をいくども復活させた男です。
業界では「キャノン鯖渕」と呼ばれていて、音声ケーブルを抜き差しさせたら右にでるものはいません。ね!鯖渕さん!
上記のように、コミュニケーションがとれていれば褒めながらPAのケツを叩くことができ、かつお客さんも楽しみながら復旧を待つことができる。
「えー。PAさん、音まだでしょうか。」とただ暗いテンションで訴えても空気が悪くなり、誰も助けてくれない。PAさんと仲良くなるメリットは大きい。
筆者もどれだけ時間がなくても営業先でPAには必ず挨拶をする。PAはアーティストの命を握っている。
「不要な緊張」とは
「まだ上手くない」という事を理由に緊張する人がいるが、間違っている。
当日。いかに頑張ろうとも、急に歌が上手くなる事も、反対に劇的に下手になることもない。いかに緊張して一生懸命やっても下手なものは下手なので。
普段通りにできれば、それが現時点の100点。普通にやれば良い。
筆者も尊敬する先輩から、大舞台の出番前に「緊張してもいきなり上手くならねーから安心しろよ。変わんねーから」と言われ、とても良いステージになった事を覚えている。
「最高のMC」をするには曲の理解
MCが上手いと言われているアーティストには、自身で作詞をする人が多い。
MCトークは曲に花を添えるもの。なので最も必要な能力は「曲の世界観の理解」だ。
作詞を担当して曲の世界観や主張を理解していない人はいない。
現在、カバーや楽曲提供を受けている人も、いちど作詞にチャレンジしてみてほしい。MCも飛躍的に上達する。
トーク力をあげる まとめ
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- 結論から話す
- 上っ面の感謝は不要
- 大物になるなら「ま」
- 架空の敵を作ること
- 決めるのは入り口、出口だけ
- 断言する勇気をもつ
- サービス精神でカバー
- 緊張の要素は潰せる
- 作詞で喋りは上手くなる
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本記事では、筆者の実体験から、MCや喋りが上手い人を徹底的に分析し、これから活躍するすべての表現者の為に、MCでの戦略としてまとめました。
新人、若手アーティストや、歌を披露する人の喋りへの苦手意識がなくなり、面白いパフォーマンスが生まれることを願いまして。
それでは、よきパフォーマンスを