ボーカルとしてステージに立ち始めて10年が経ったある日、私はふと思った。
音楽だけで食ってくのって無理じゃね?
いつも、ご愛読有難うございます【新人アーティストとファンの参考書シオサバ】運営者のシオサバです。
シオサバのアーティスト時代の実績
レコチョク、iTunesジャンル別週間売上ランキング共に最高3位を獲得。日比谷野外音楽堂での音楽イベント出演経験等、2000〜5000人規模の音楽イベントへ年間6本程度出演。SONY、Victor、avexから発売のオムニバスCDへ参加。活動歴10年。現在は引退。
シオサバのプロフィール
名前 | シオサバ |
前職 | アーティスト(ボーカル) |
現在のお仕事 | デザイン・動画編集・WEBサイト制作など。 |
居どころ | 東京都中央区 |
年齢 | 30代前半 |
夢なかばアーティストを挫折させて頂き引退。現在は企業のデザインパネル制作や動画制作、WEBの仕事をしている。
あなたは全力で夢をおいかけているだろうか?
諦めたときのことなど考えた事が無いほど全力だろうか?それとも少し諦めかけてるだろうか。
わたしは諦めなんて考えたことが無いイケイケな時期も、挫折も両方を経験した。
ただ、ひとつ安心してほしいのは、芸術や表現、あらゆる挑戦は挫折したその日が始まりだ。それだけは確実。
どんな事でも、失敗や経験は次の挑戦に持っていく事が出来る。だからあなたの努力は絶対に無駄にならない。
この記事では、筆者がアーティスト引退に追い込まれるまでの10年を振り返る。どこか反面教師に参考になる部分があれば幸い。
【20才】歌手になるには行動力
筆者が19才の時。先輩から「ライブ行ったことないの?1回も?」と誘われ、生まれて初めて生のライブを見る。
1000人くらいの箱の最前列。ずっとCDで聞いていたアーティストが目の現れ、これまでの自分の人生にないほど興奮した。
わたしは彼の曲を終始全力で歌い続け、ライブハウスを出ると自分の声が完全にぶっ潰れていることの気が付いた。
その日から、私がライブハウスで歌うようになるまでの期間は1ヶ月。
歌わせてくれそうな小さなClubやライブハウスに遊びに行って、ブッキングの権限をもっていそうな関係者フェイスの人を探して声をかけまくった。
アーティストやってます。シオサバです。歌える場所を探してます。(当時の名前は魚類ではなかった)
そーなんだ。いつもどこで歌ってるの?
人前で歌ったことはありません。曲は1曲しかありませんが盛り上げる自信はあります!歌わせて下さい!
「2週間後のイベントで5分歌ってイイよ」と言われた。
最初のステージは20人くらい。何故か、その更に2週後に200人の前で5分の前座ライブをした。
どんなに身の丈に合わない話でも、どんなに準備不足でも「やらせてください!」と、まず引き受けてしまえば、後には引けない。
初めてのライブでみた憧れのCDの人とは4年目で同じイベントのゲストとして同じステージに立った。
「私アーティストになりたいんです」と願望を口にするより先に「アーティストやってます」と宣言して人前でライブをしてしまう方が早い。
【21才】歌の上手さは無関係
デビュー当時のわたしの歌唱力はCHINカス。学生時代カラオケで上手いと褒められた事がない。
そんな筆者でも、歌い始めて1年でお客さん300人くらいの小さな大会でのLiveトーナメントで活躍したりVictorのオムニバスCDに入ったりとそれなりになる。
大会はお客さんがジャッジするものだったので、気持ちと勢いと熱量でなんとかなった。
始めてのCD作成時にレコーディングエンジニアは私の歌唱力の低さに頭をかかえていた。
・・・なにから説明すればいいかわかんねーよ。1回休憩。ニコチン入れるわ。
ハイ!!すみません!!
新人アーティストも悩むトーク力!戦略家が教える上級者MC術10手
【22才】勢いに実力が追いつく
アーティスト2年目くらいまでは、自分のCD音源を聞くたびに「おやおや。このダサい曲は誰ですか?」と感じていた。
生のLIVEではMCやパフォーマンスでごまかせるものが、音源の私はビックリするほど歌が下手くそ。
ところが、3年目くらいから自分の音源に「カッコいいな」と思えるものが増え、お客さんからもカッコいいと言われるように。
そうすると「わたし才能があるのでは?」という自己暗示にかかり、さらに結果がでた。多くの自信はただの勘違いだったりする。
この頃から毎年、数千人規模のフェスに呼んでもらえるようになり、iTunesやレコチョクで自分の曲が上位をとったりした。
日比谷野外音楽堂のイベントにもでた。
【24才】アーティストはモテる
中学から高校の6年のあいだに8人の女子に告白して、交際できたのは1人という比較的負けグセの付いている筆者でも、アーティスト3年目くらいから壮絶にモテた。
「嘘だろおい」と言うほどの美人に告白されたりして、こころから「アーティストになって良かった。神様ありがとう」と感謝した。
顔面的、身長的、ルックス的、経済的にモテる要素の少ない弱者が、モテるようになるには自分に「付加価値」をつける以外にない。
アーティストとして自分の内面を音楽やアートで表現する作業はモテたくて仕方がない人の欲求と相性が良い。
【28才】ゆるやかに年老いていく
さらに4年ほど経ち、努力も怠らず、活動自体は順調。
それでいて、更に売れる訳でもなく。落ち目という訳でもない。すごくモテる訳でもなく、モテない訳でもない。そんな日々が続く。
最初は「25才まで!それまでに絶対音楽で食えるようになる!」と意気込んでいた筆者も、気がつくと泣きの延長3年目を迎えていた。
相変わらず音楽で毎月食えるレベルに至らないにも関わらず、後輩は増え続けるので、教える余裕もないのに、先輩ヅラをしなくてはならない。
交友関係だけが広がり、無駄な時間と金の浪費が多くなる。金にならない仕事に奔走し、歌手としての焦りが出始めた。
夢に費やす期限は、人に宣言しておいた方がいいだろうね。
自分で夢を追いかける期限を定めると自動延長するぜ?人間は一度チヤホヤされると抜けれない生き物なのよ。
筆者もつい最近までフレッシュな若者気分でノウノウと生きていた。しかし枕の臭いで自分が既にジジイだという事を深く理解した。
枕が臭い原因は自分だった!マクラが黄ばんでからの我慢の睡眠法!
【30才】アーティストを辞める
音楽を辞めた。
そうなると音楽仲間どうしで「バンドは辞めても、音楽は続けろよ」会議が必ず起こる。
そこからは、お客さんとしてゆっくり音楽を楽しむも良し、裏方となり若手をサポートするもよし、人気があったなら飲食を始める人もいる。
筆者の場合、全ての音楽活動を辞めた。
家で音楽を聴いたり、楽器や機材を触ることはあるが、楽曲の制作やライブ、音楽時代の仲間と飲みに出ることも一切ない。
わたくしごとにはなるが長年犠牲にしてきた家族や自分と向き合う必要があった。
【反省】失敗、敗北、挫折を考える
引退から3年ほど経過し、音楽で挫折した自分は何がダメだったのかを深く考えた。
同期のアーティスト、先輩や後輩はやはり才能豊かで、私の挫折の理由はひとえに「才能の差」で片付けることもできる。
同じステージに立っていた仲間も一歩離れて俯瞰してみると「よくまあ、こんな上手い人らとやれたわ」と自分に関心したり。
3年たってやっとヒガミや妬みがなくった。脱落から1年は、悔しくて音楽も聞けないという。。
話が脱線したが、才能はさておきアーティストをリタイアした最大の理由は「時間の使い方」です。
【学び】頑張っている「つもり」
10年間まったく音楽に手を抜いていなかったという感覚がある。あくまで感覚。
友人ともほとんど遊ばず、休日に飲みに出歩くこともなく、ただ音楽を頑張っていたつもり。
「つもりだ。」
生活費を稼ぐ為のアルバイトは長時間となり「みんな、そうやって頑張って夢を追っている」と誰も現状を疑わない。自分もそうだ。
バイトはまだいい。問題は人間との付き合い。
「先輩のイベントに顔を出す」「打ち上げに参加する」「地域の活動の貢献する」「スポンサーの洋服屋に挨拶に行く」「知り合いの店にフライヤーを置く。だけでは申し訳ないから何杯か飲んで、食事をしていく」など….
ブレイク手前。という位置が存在するとすれば、そこが最大の地獄だ。使う時間に収入が追い付かず、どんどんお金がなくなる。
役者、芸人、アーティスト、歌手、多くの表現者は、表現の場所を手に入れる為の交流や気遣いで、時間を失い疲弊する。そしてその自覚はない。
結果がでなくても感じる疲労感から「自分は頑張っている」と錯覚する。
大切なのは 頑張ることではなく「頑張り方」だ。
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【助言】頑張りかたと環境
実家がお金持ちなら、気負う事なくのびのびを音楽をやるのが良い。
親を頼りたくないという尖った精神は全く役にたたない。できるだけ自分の活動に前向きになってもらい、全力で応援してもらうのが良い。
実家に居させてもらえるなら、意地でも実家にしがみつくこと。
家賃・水高熱費・食料調達・税金・病気・ケガのリスクetc… これらを甘えさせてもらいながら、その時間を創作に当てることができるメリットは何にも勝る。
「実家暮らしダサ!」と言われる腹立たしさを、帳消しにするメリットが実家にはある。金のある実家はなおさらだ。
今の時代、就職して仕事以外の時間を音楽にあてるのもあり。ただし音楽が軌道にのると正社員では両立が難しくなる。
筆者のように実家が裕福じゃなかった場合
「なりあがってやるぜ!」という意気込みだけでは、どうにもならない事が沢山まっている。
確かに、「バイトもマックス!音楽もマックス頑張る!」という方法でも、若いうちは情熱だけで頑張れてしまう。
だが長期的に戦うとなるとかなり厳しい。どんな表現者も早めにブレイクしなければ、お金と時間の壁に必ずぶち当たります。
早いうちから、アルバイトや仕事の質、給与、家賃や支出について真剣に考えて、長く音楽を続ける為のプランを練ること。
「どうせ仮の仕事だから」と学習をせずに安い時給で働き続けると5年後に必ず息詰まる。
夢を追うなら、仕事選びは本当に重要。
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走り出したアーティストへのメッセージ
「売れなかったときの事を考えて夢を追いたくない」
と考える将来有望な熱いアーティストに1つアドバイスを。
わたしも、そんなダサイ思考を持たずに若いころをガムシャラに生きたからから、ある程度は結果が出せた。
確かに、最初から守りに入ってるやつは結果は出ない。出されてたまるか。熱くなったやつだけが売れる。じゃなきゃ困る。
だから「まず売れろ」実力なんぞどうでもいい、まず「誰よりも早く売れること」を優先で考えて欲しい。
売れるのは1日でも早い方が良い。ブレイクしちゃえば、あとは情熱次第でで実力なんざいくらでもついてくる。
売れればちゃんと時間が出来る。
売れれば良い環境で作れる。
人の先入観は実力に勝る。売れたていれば、同じ曲でで良い曲に聴こえる。売れてないと誰にも聴かれない。
人気優先。そうすればあなたはもっと良い音楽が作れる。
【読んで欲しい記事とメッセージ】
このサイトの全て記事は音楽のファン(お客さん)に向けて書いている。
「自分もやってみたい」と思いファンがアーティストを始める。
全てのアーティストは元ファンなのだ。
ファンとアーティストに境界などない。
このサイトでは男女共に誰が読んでも解る記事を目指している。なかでも「ラップの作詞方法」という記事が人気。
グーグル検索「ラップ 作詞」で1位をとった記事。
ラップの作詞!リリックの書き方、歌詞の作り方を経験者が解説!
「ファンがアーティストと交際する方法」という記事も人気。
このての記事は女性が書くことが多いが、男性の意見を聞かないと意味がないのでは?とも思う。
グーグル検索「アーティスト ファン」で1位をとった記事。
「売れない歌手の特徴」も自信作。10年ものの挫折から得たノウハウが詰まっている。
売れていった友人の共通点も参考にするべし。
それでは、よき創作を