作詞にまつわる記事に定評があります。
元ボーカルで今は魚類のシオサバです。
作詞はテクニックを覚えればで誰でも磨くことが出来る。
どの曲の歌詞も分解すれば全て手法をならべたものに過ぎない。無意識にできる人を天才と呼ぶだけだ。
この記事では、わたし自身で例文を作りながらわ、今から使えて、効果絶大な基本にして王道な作詞の手法を紹介する。
ラップの作詞にも興味があるという人は下記の記事も読んでいただきたい。
ラップの作詞!歌詞の書き方、リリックの作り方を経験者が解説!
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ラップ用語【122語】ヒップホップの言葉を日常で使う為の例文
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比喩は直喩と隠喩を使い分ける
比喩(ひゆ)には大きく分けて直喩と隠喩がある。
たとえ話だという事を、一目で解るようにするか、隠すかで使い分ける。
「隠喩」は「メタファー」ともいう。
直喩
「まるで〇〇のよう」という例え方が直喩(ちょくゆ)「今たとえ話をしています」とすぐに解るもの。
まるでゴリラのように濃い体毛だ
隠喩(メタファー)
例えばなしを隠す手法です。オシャレに仕上がる。
彼はゴリラだ。リクライニングチェアーでイビキをかくそのゴリラをわたしはそっと平手打ちした。
メタファーは多用しすぎると人に全く伝わらない意味不明な歌詞になってしまうので注意が必要。
オノマトペで親近感
オノマトペは音や、音のしないモノを文字にしたもの。「サラサラ」「コロコロ」「デレデレ」など。
人差し指でピンポンパンポン
トビラを開く君も華麗だね
僕は解ったよピンポンパンポン
この香ばしい香りカレーだね
オノマトペは活字と一緒に音の情報が入ってくるので、聞き手がとても覚えやすい。
上記のようなオノマトペ歌詞を作れば「ピンポンパンポン歌ってよ」とすぐに曲の特徴を覚えてもらえる。
ダブルミーニングのテク
ダブルミーニングは1つの楽曲に2つの側面をもたせる。
作るには異なる2つのテーマに共通する単語を探す。
仮に【ドライブ】がテーマ。裏テーマが【夜の営み】というダブルミーニングであれば
「エンジンの水滴」と「人間の汗の水滴」と連想し、水という共通点から「したたる」などの単語を見つけます。
ドライブと夜の営みのダブルミーニング
加速するお前のハート 心地よく刻まれるRHYTHM 興奮が揺れてしたたるなら 滑らかなボディに触れながら
ドライブの中には営み的ワードが多く、ダブルミーニングされやすい。揺れ、したたり、ボディ、加速などは、ドライブの単語だが、女性との行為にも使える。
どのジャンルの話であっても艶のある曲が作れるので、ビジュアル系に多用される。
言い回しにコダワル
例えば「とても寒い」という事を伝えたいときに、「とても寒いです」と直接的な表現が続くと、少し幼稚な曲になる。
一度書いた歌詞の言い回しが工夫できないか、コダワル事が大切。
押し入れに身体はんぶん
母さんハロゲンはどこ?
白くなった恥じらいが
二酸化炭素になって
夜空に溶けたんだ
つらら超大きい!さながら凶器!
深い事を言いたければ【対義語】
対義語は「小さい」と「大きい」など反対の意味の言葉。
白黒つけない、絶妙なニュアンス表現や、意味の振り幅が大きいのでインパクトが残せる
沢山いるけど ひとりぼっち
その手は冷たくて 暖かい
少しケバイ!でも!中身が女神!
日本では沢山の曲のサビに対義語がつかわれている。
対義語をつかっておけば少し深い感じがだせる。
接続詞で結局の結論へ
接続詞は「でも」「だけど」「だから」などの言葉同士をつなぐ言葉。
特に恋愛の曲では、相手の嫌いな要素を沢山並べて「でも」「だけど」「それでも」を使い「結局好きじゃん」という展開の作詞が王道です。
ずっと好きです。でも。もう会えない。
たかがラップ!否!されどラップ!
君は臭い。でも。僕は嗅ぐよ。
【てにをは】を磨いて美しく
「てにをは」を変える事で大きく意味合いが変わる。
「てにをは」違いによる効果
[su_box title=”イケメンをてにをは” style=”bubbles” box_color=”#0e63ae”]
イケメンは倒す (他は生かす)
イケメンを倒す (強い使命)
イケメンで倒す (イケメンが武器)
イケメンがいい (他はNG!)
イケメンでいい (上から目線)
イケメンはいい (遠慮ぎみ)
※イケメンのいい (彼が思うには)
イケメンの匂い (イケメンが発する香り)
イケメンな匂い (イケメンテイスト)
[/su_box]
てにをは を工夫すると歌詞のクオリティが上がる。作詞では正しい「てにをは」を探すより、より素敵な「てにをは」を見つけることが大切です。
固有名詞を恐れずに使う
お菓子であれば、商品名。選手やアーティストであれば個人名が固有名詞。
基本的にイメージがより明確になるので、使える固有名詞は積極的に使いたい。ただし、マイナーな固有名詞は、身内ネタとなり共感を狭める。
普通名詞
都会では夜空に星が見えない
ピアニストのように踊る指先
固有名詞
六本木交差点の星が見えない夜空
モーツァルトのように踊る指先
固有名詞を使うことで、星の見えない夜空に加えて都会の悲壮感を伝えられる。プロ以上にプロを感じるの指さばきを表現するのがモーツァルトという固有名詞だ。
体言止めで〆る
初心者の作詞の語尾は、「でした」「ました」「です」「から」などが多くなり。締まりがない。
そうして、曲にだらだら感が出た場合は体言止めを使う。
ラップでは体言止めが多用され、乱用するとラップ感が出てしまう。なので使い過ぎには注意。
ダラダラしている歌詞の例文
いつでも側にいてくれて
励ましてくれました
すごく優しかったから
頑張ってこれました
体言止めの例文
いつもいてくれた。側に。
なっていたんだよ。力に。
ずっと感じてた優さ 凄く。
だから。また頑張れる。
歌唱力が高い人は、ですます調で歌い続けても、ダラダラ感が出ないので無理に体言止めを使う必要はない。
体言止めはサビ等の重要なパートよりは、疾走感やリズムで魅了したい部分などに使う。
使いすぎるとラップっぽい雰囲気になる。
母音で響かせる
曲のサビなど、言葉を長く伸ばして歌う時は、口が広がるカタチの方が声がよく響く。
なので作詞の段階で語尾の母音を意識して作ると歌いやすい。
母音が「あ」「え」「お」はよく響く。
母音が「い」「う」は口が閉じます。
響きにくい母音
まさにぃぃぃ
握るぅぅぅ
にぎりめしぃぃ
たべるぅぅぅ
響く母音
いまぁぁぁ
握ったぁぁぁ
おにぎりをぉぉぉ
食べよぉぉぉ
意識しすぎると、サビの作詞に制約が出来てしまうので「口が閉じすぎている」と感じた時に修正ポイントとして思い出すほうが良いで。
破裂音
「パン!」「バン!」など口をとじた状態から発音する言葉で、インパクトのある歌詞が作れる。
だってだって!僕らはパイレーツ!
抱きしめて!バイト先で!
バンス ベイビィ バンス!
俺 ダンス 出来ないっす!
倒置法で結論
倒置法は、結論を先に言う手法です。「星が綺麗だ」の結論は「綺麗だ」なので「綺麗だ。星が。」となります。
凶器だよ!芋けんぴだって。
一緒に歩こう。手をつないで。
もはやゴリラ!俺の握力!
繰り返して刷り込むリフレイン
洋楽、邦楽、共に多くの楽曲のサビが繰り返しで出来ている。
少ない機会で、印象に残る曲を作りたい場合「癖になる」と思わせるか「ダサイ」と思われるかの瀬戸際まで単語を繰り返します。
ずっとずっと。変わらない僕らは、ずっと。
延長。延長。度々すみません。2時間延長。
Hiphop Hiphopわかってるんだろ?hiphop
作詞の方法まとめ
作詞には沢山の技(テクニック)があり、技が一切使われていない曲はない。
雲の上の存在というアーティストも、1小節づつ分析し、理解することで、別世界の人間ではない事が理解できる。
「なんかカッコイイ歌詞」を分析し
「何故カッコいい」かが解るようになる事で、歌詞の質は格段にあがる。
「ラップ 作詞」でネット検索1位を獲得した記事も是非。
それでは、良き創作を。